「ダイエットをしたいとは思ったのに……」話題の行動経済学を活用した自分のコントロール

行動経済学とダイエットの関連性

行動経済学という言葉を聞いたことがありますか?これは経済学と心理学を組み合わせ、人々がどのように意思決定をするかを研究する分野です。単なる数字やデータだけでなく、人間の心理や行動パターンを考慮に入れることで、より現実的な分析が可能になります。

ダイエットは意志力だけではない

「ダイエットは意志の力でなんとかするもの」とよく言われますが、実はこれが大きな落とし穴となります。意志力は有限であり、ストレスや疲労、日常のプレッシャーがそれを減少させます。その結果、意志力だけに頼ったダイエットは続けるのが難しく、失敗しやすいのです。

ナッジ理論とは?

行動経済学の一つの理論に「ナッジ理論」があります。これは、環境や状況を少し変えることで、人々が無意識に健康的な選択をするように促す手法です。例えば、スーパーで健康的な食品を目立つ場所に配置することで、自然とそれを手に取るようになるのです。

ナッジ理論を使ったダイエット

環境の整備

ナッジ理論を使ってダイエットをサポートする方法はたくさんあります。例えば、冷蔵庫の一番目につく場所に野菜や果物を置くことで、自然と健康的な食品を選ぶようになります。また、職場でのおやつ類をヘルシーな選択肢に置き換えることも有効です。

私はダークチョコレート、甘栗やナッツ、ほしいもなどをおやつの候補にしています。

小さな変化

大きな変化を一気に目指すのではなく、小さな行動変化が大きな成果につながります。例えば、エレベーターを使わずに階段を使うようにする、飲み物を甘いジュースから水に変えるなど、日常生活の中で少しずつ取り入れられる変化が重要です。

実際の成功例

ナッジ理論を使ったダイエットの成功例を紹介します。例えば、ある人は職場の自分のデスクに健康的なおやつを常備することで、無意識にお菓子の代わりにそれを食べるようになり、数ヶ月で体重を減らすことに成功しました。このように、小さな工夫が大きな成果を生むのです。

その他の行動経済学的アプローチ

ナッジ理論以外にも、行動経済学にはダイエットをサポートする方法がいくつかあります。ここでは、コミットメントデバイスとサンクコストの誤謬について説明します。

コミットメントデバイス

お買物の時、カートを使わず手で持ってみることは、行動経済学でいうところの「コミットメントデバイス」という概念に当てはまります。目に見える形で「買い物量を減らす」という目標をコミットすることで、衝動買いを防ぎ、計画的な買い物を促す効果が期待できます。

サンクコストの誤謬

人は、すでに費やした時間や労力、お金を無駄にしたくないという心理があります。この心理を活用すれば、ダイエットを継続しやすくなります。例えば、「せっかくジムに通い始めたんだから、やめられない!」という気持ちになります。

ちょっと実践してみましょう!

せっかくここまで読んでいただいたので、小さいことを実践してみませんか?

冷蔵庫の整理

健康的な食品を見やすい場所に配置する。

お茶碗などの食器を小さくする

食器をひとまわり小さくすることで「一杯分」を小さくしていき、カロリーを抑える方法です。

おやつの見直し

職場や自宅に健康的なスナックを常備する。

エレベーターではなく階段を使う

行動経済学を応用して、毎日の生活の中で自然と健康的な選択をするように工夫してみましょう。

積み重ねた努力を無駄にしないためのアイデア

小さな目標設定と達成体験を積み重ねる

大きな目標をいきなり達成しようとすると、挫折してしまう可能性が高いです。まずは、「1週間で1kg減らす」など、小さな目標を設定し、達成感を味わいましょう。小さな成功体験を積み重ねることで、モチベーションを維持しやすくなります。

ポジティブなセルフトークで自分を鼓舞する

「今日は頑張れた!」など、小さな成功体験を言葉にして褒めてあげましょう。「もうダメだ」と自分を責めるのではなく、「明日はもっとできるかも」と前向きに考えることが大切です。

ミラーリングを活用して、周りの人と一緒に頑張る

家族や友人など、ダイエットを一緒に頑張る仲間を見つけることで、モチベーションを維持しやすくなります。互いに励まし合い、情報交換をすることで、より効果的なダイエットが期待できます。

これはフィットネスに来ていただく会員の皆さまを見ていても続けやすくするコツだと感じます。

最後に

行動経済学を活用して、ダイエットを楽にしましょう。寝ているだけで何もせずに叶える「楽なダイエット」は夢のような話ですが、実際にそれでダイエットができた人にはあまりお目にかかれていいません。やはり、行動が伴わないと難しいのです。

実際にダイエットに繋がる行動は取るけれど、なるべくそれが負担がないように行動経済学のナッジ理論を取り入れて、意志力に頼らず、自然と健康的な行動を取れるように、ぜひ、今日から実践してみてくださいね!